理経
- 出展展示会
- 北海道インフラ検査・維持管理・更新展2025
- ブースNo.
- 508
- 出展者
- 理経
- 出展製品
- 光ファイバ給電システム
- ブースのみどころ
- 光ファイバ給電システムは、電力と通信信号を同時に光ファイバで伝送する革新的な技術です。従来、電力供給には電線やLANケーブル(PoE:Power over Ethernet)が用いられてきましたが、これらには距離や安全性、設置環境に制約がありました。光ファイバ給電は、これらの課題を解決し、長距離・高信頼・省スペースな給電を実現する手段として注目されています。
この技術の基本原理は、レーザー光を、受信側で光電変換素子(フォトダイオード)を用いて電力に変換するというものです。つまり、電気を直接送るのではなく、光ファイバで送られた光を電気に変換することで、電力を生み出します。この技術は、電気的なノイズや漏電のリスクを回避しながら、遠隔地への安定した電力供給が可能になります。
実際の応用例として、遠隔地の監視カメラシステムが挙げられます。例えば、光給電カメラシステムでは、最大10km離れた場所に設置されたカメラに対して、光ファイバ1本で映像信号と電力を同時に供給できます。従来のPoEでは100m程度が限界であり、これを大きく超える距離での給電が可能になることで、山間部や河川の監視、災害対策などに大きな効果を発揮します。国土交通省では、砂防ダムの監視にこの技術を導入し、落雷や電磁ノイズの影響を受けにくい安全な監視体制を構築しています。
光ファイバ給電のメリットは多岐にわたります。まず、長距離給電が可能であり、最大10kmまで電力を供給できる点は、従来技術と比較して圧倒的です。次に、安全性の高さが挙げられます。光ファイバは絶縁体であるため、漏電や火花の心配がなく、落雷や電磁ノイズにも強い構造です。また、電源設備が不要なため、設置工事の簡略化やコスト削減にも寄与します。さらに、既存の光ファイバ網を活用できるため、新たな配線工事が不要であり、環境負荷の低減にもつながります。
このように、光ファイバ給電システムは、遠隔監視、都市インフラ、次世代通信、災害対策など、さまざまな分野での活用が進んでおり、今後のスマート社会の基盤技術としてますます重要性を増していくと考えられます。技術的な進化とともに、より高効率・高出力な光電変換素子の開発も進んでおり、将来的には家庭用機器やモバイル端末への応用も現実味を帯びてきています。
光ファイバ給電は、単なる電力供給手段の進化ではなく、安全性・柔軟性・持続可能性を兼ね備えた次世代のインフラ技術として、社会全体の課題解決に貢献する可能性を秘めています。
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